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水島新司 こそがあぶさんだった!?

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誤字、誤情報のご指摘をいただき、加筆を含め修正しました。ご指摘ありがとうございました。

2022年1月10日、漫画家の水島新司さんが亡くなりました。

言わずと知れた野球漫画の大御所で、野球漫画といえば水島新司の名がはじめに思い浮かぶ人も少なくないでしょう。

プロ野球界からも多くのコメントが出ているようですが、昔話を思い出しながら作品リストを見てみました。

略歴

出身は新潟。新潟市立白新中学に通い、隣接する明訓高校への進学を望むも家庭の事情でかなわず、そこから色々な苦労をされたそうです。

漫画家を目指し大阪に出て、大阪TV局制作ドラマ、「番頭はんと丁稚どん」「てなもんや三度笠」の漫画化、今でいう「コミカライズ」で人気を博し、のちに上京します。

東京で「少年キング」から「エースの条件」を発表して野球漫画の道が始まります。

野球漫画の道、というより野球狂?それよりも「ホークス」狂かもしれません。

野球

大の野球狂でいらっしゃる水島先生。当然のように草野球に高じておられました。

チーム名は「BOTTS」。漫画家らしく「ボツ原稿」のボッツです。

シャレてますよね。

でももっとシャレていたのがユニフォームが緑!

そうです「南海ホークス」のユニフォームそのものです。

そして背番号が「3」!

あぶさんの「90」かと思いきや「3」なんです。

当時絶頂だった長嶋さんの「3」ではなく、背番号の上、登録名が書かれるところに「あぶ」。そうです、背番号が「あぶ3」なんです。

作品

おそらく水島先生の作品で、広く有名なのは「ドカベン」だと思いますが、選手やチームに密接に描かれているところから、水島先生の根幹は「あぶさん」なんだろうなと思えて仕方がありません。

「ドカベン」でもプロ野球編では様々な実在のプロ野球選手が登場しますが、「あぶさん」では練習風景や球場外の選手たちも描かれていて、野球漫画でありながら人間ドラマであるという奥の深さがあり、水島先生のプロ野球界の交流の広さや深さが存分に感じられるものでした。

何よりも、水島先生の作品は選手やチームが普通に「実名」で出てきます。

実名で出るどころか水島先生の訃報に多くのプロ野球関係者からコメントが出て、本当にプロ野球界での「水島新司」の存在感と、信頼関係がいかに偉大だったかと感服しました。

ここでちょっと小ネタです。
「ドカベン」で明訓高校の小さな巨人、里中智ですが、モデルはマンガ家仲間の里中満智子さんです。
このことは有名な話で、水島先生が亡くなられて回顧的に聞かれるエピソードですが、当時水島先生ご自身でも語られていました。

水島先生と里中先生は、合作をしたこともあるくらい交流があって、当時のコメントをみて「とても仲が良い」印象を受けたものです。

また、「あぶさん」では実在のプロ野球関係者が多く登場しています。
けっこう「いじられている」選手も少なからずいた印象がありますが、そんなマンガを普通に発表できるのも水島先生ならではと思います。

人は永遠に生きることはできません。惜しい人はどれだけ高齢で亡くなられても惜しいと言われます。

野球世代で、水島新司の野球漫画で育った世代としては、惜しくてたまらないのですが、野球愛に満ちた数々の作品を残されていますので、追悼と感謝の気持ちをもって漫画を読み返してみたいと思います。

作品リスト

〇男どアホウ甲子園

(原作)佐々木守、(漫画)水島新司 秋田書店<br>Amazonは文庫版全巻<br>楽天は単卷

〇銭っ子

水島新司 秋田書店

〇野球狂の詩

水島新司 講談社 KCコミックス

〇ドカベン

〇あぶさん

(17)幻の名酒<br>水島新司 ビッグコミック

〇一球さん

〇球道くん

〇光の小次郎

大甲子園

〇極道くん

その他の作品

・エースの条件

・ドカベンプロ野球編

・ドカベンスーパースター

・ドカベンドリームトーナメント

・ストッパー

・新野球狂の詩

・野球狂の詩平成版

後記

野球マンガといえば「熱血」だったり「超人的」なヒーローだったりした時代に「人間ドラマ」を描かれた水島先生。

プロ野球選手やOBの肩が実名で登場する「あぶさん」、特に「南海ホークス」に至ってはかなり裏側まで描かれていて、自分がチームの一員になったかのような気分で読んでいました。

人類に野球の記憶がある限り永遠の、そして色褪せることのない「水島新司の野球マンガ」
まだまだ楽しんでいきましょう。

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