紹介文
屋台バーで最高の一杯を。気鋭イラストレーター・パオの初コミックス!
月夜に現れては消える気まぐれな屋台を営む女性バーテンダー・雪。風変わりな彼女の作るカクテルは誰かの心に忘れられない味を残す。
まず表紙を見て「あっ!」という感じで心を捉えられてしまいました。
後で知ってみればそれもそのはず、作家さんは絵を描く人だったんですね。
とはいえそもそも「マンガ家」さんは絵を描く人なんですが・・・
まあピッコマだし「まずはお試しでとりあえず絵だけでも素敵だから良いかな」くらいの感覚で読み始めたのですが
雪ちゃんのほわわ~んとした雰囲気だとか、お店で立ったまま寝てしまう自由さとか
それが「屋台のバー」というなかなかお目にかかれないシチュエーションということでさらに心をわしづかみにされる気分です。
ちょっとつり目のキリっと整った顔でいながらほわわ~んとして、でもその目には大事なことが色々見えているんだろうな!と思うのは読み進んだ結果だからでしょうか。
肝心のカクテルにしても「レシピ」や「一般的な常識」とは違う心配りで目の前のお客様にベストなグラスを提供する。
こんな雰囲気のバーメイド(女性のバーテンダーさんはこう呼ぶらしい)にこんなスペシャルなグラスを出してもらえるなら通っちゃうよな~というのがオジサンの心理かも知れません。
お店の場所が決まっていない屋台だから神出鬼没で、常連になるのはなかなか叶わない願いで、だからこそ「一期一会」の大事さ、その中でもお客さんにバッチリマッチした一杯。
バーテンダーのマンガはたくさんあります。レシピも詳しく説明しているマンガも本もありますが、それを超えたところの至高がここにあるのではないかなと思う一作です。
お酒の蘊蓄にちょっと食傷気味の方も、ぜひここでゆったりお酒の楽しみ方を考えてみてはどうでしょうか。
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