パリで修業を終えて銀座にやってきた佐島連。
一人飲んでいたバーの隣の席にやって来たのが伝統を重んじる呉服屋の主人。
老舗の味、オールドボトルこそ至高と信じる呉服屋の前で佐島が飲んでいたのは現行品の水割り。
何を感じたのか呉服屋の主人は佐島を何軒も連れまわすが佐島はどこに行っても「水割り」を頼んでいた。
佐島の飲みかたに我慢の限界を超えてしまった呉服屋の主人は佐島を怒鳴りつける「ウイスキーはストレートで味わう!それが本当の飲み方だ!」
話を聞いて佐島が銀座でバーテンダーの職を求めているのを知った呉服屋の主人は、バーテンダーとは、銀座のバーテンダーとはを語り、佐島が銀座で働くのは迷惑だと断じる。
佐島はパリで誘ってくれた守谷のバーで働くことに。そこに現れた呉服屋の主人。
何か作れと言われた佐島が「水割」を提供して・・・
「バーテンダー」と作画は違いますが原作者は同じです。
だからということでもないのでしょうが初めは「水割り」にまつわるストーリーです。
「辛いから」「強いから」水割りにするというのが一般的な感覚で、そういう水割りは「薄めること」が目的で、当然そうなると味はそれなりです。そもそもそういうものしか求めていないのだからそれでいいのかもしれません。
でもしっかりしたお酒を適切に割ってあげると確かに美味しさが変わるんです。
とげが取れて香りを甘みは変わらない。そりゃ少しは薄くなりますがバランスが壊れることなくおいしいと感じられる。それが本当の水割りであり「カクテル」なんだということですね。
「何も足さない、何も引かない」が極上なのはおそらく疑いようのない事実だと思いますが、状況に応じて「水割り」をも楽しめる大人ってカッコいいと思います。
はじまりは「バーテンダー」と同じお題でしたが、「銀座ならでは」のエピソードや、佐島がパリで実績を積んできたとはいえ「サービスマン」としてまだまだ成長の余地があって、それを「銀座の重鎮」たちが教えてくれる。読む側も人生を豊かにしてもらえる気持ちになります。
ちょっとした知識とストーリーを思い描きながら、ひとりBARでの贅沢な時間。楽しんでみませんか。
とりあえずマンガで。
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