クライフって?
そもそもタイトルの「クライフ」って何?
「サッカー?観ますよ」なんて言っても、Jリーグのチームは知ってても国際Aマッチしか見ない、なので代表に選ばれる選手くらいしか知らない、という程度の知識ではこうなるわけです。
クライフって人名でヨハン・クライフというすごい人なわけです。けっして馬鹿にしている訳ではなく、自分がこのレベルだったってことなんですけど。
でもこのマンガを読んで、Wikipediaなんかで検索すると、本当にすごい人だってわかります。
選手としても監督としても、そして人生そのものも破天荒で傲慢で、こんな生き方を許されて、後でも称賛される人ってそうはいないんじゃないかなと思います。
そんな「クライフ」をこのマンガでは、(たぶん)敬愛と尊敬をこめて「中二病」と称しています。
「美しく敗れることは恥ではない」
「無様に勝つことを恥と思え」と続いて「クライフ」の言葉です。
ドリブルしかできない木登学園高等部の今中。
選手に「堅実」なプレーを求め今中を罵倒していたのに、自分のチームに「おもしろさのかけらもない」とつぶやき消えてしまった前任の茂木監督。
クライフターンを試みた今中(結果は失敗でしたが)に憧れを抱き声をかけた「雨ちゃん」と、その父であり、中等部から高等部の監督になった雨宮監督。
茂木監督の指導に疑問を持ちながらも「負けない=勝てる」サッカーだと信じようと食らいついたものの、雨宮監督とテクニカルコーチの雨ちゃん(!)の方針に戸惑う選手たち。
結局のところみんなが中二病であり、サッカーに本気なんだねってことです。
「無様に勝つことを恥と思え」と言ったって、聖人君子のごとく戦えというわけではなく、相手の弱点は突きますし「勝ちにいく」ことには変わりはないです。
「勇気をもって攻めまくる俺たちってカッコいい」というクライフのサッカー。攻めなきゃ勝てないし、勝ちに行って負けたらそれはそれで「カッコよかったらOK」てことです。
とは言ってもプレーしている選手たち、スポーツ推薦はともかく勝ちたいに決まってます。特にやんちゃな高校生、「カッコよく負けても良い」なんて負け癖の付いた弱者の理論。当人は「なんとしても勝ちたい」んです。
実際クライフが監督をしたチームは強かった!
「勇気をもって攻める!」という高い理念でチームを作っていく彼らに共感と期待を持たずにはいられません。
これを読んだらサッカーマニアになれる?
と、紹介文的にお話の概要を書いてみましたが、こんなありきたりの紹介では伝えきれない「マニア」感がハンパないマンガです。
「クライフ」の紹介が入るあたりから、それはそれはいろいろな人々の名前とエピソード。
これでもか!と畳みかけてくるかのようなマニア垂涎(そこまでじゃない?)のオタクネタの数々。
雨宮親子のサッカー哲学の根底とは?
指導の中に語られる言葉のとんでもなさと面白さ
おかっぱ無表情の雨ちゃんは可愛い?とか
サッカーのプレーや戦術と、オタクネタそれぞれが十分楽しめるマンガになっています。